伝説・民話
御代田にまつわる古いお話
露切峡の花嫁(つゆきりきょうのはなよめ)

むかし、面替の南に平根という村があり、そこまで用水を露切峡からトンネルより水を引くことになった。
この用水工事中、壁が崩れたりして難工事となり、大勢の人が死んだり、怪我をした。
工事は進まず、死人や怪我人がふえるばかりなので、川の神のたたりがあると面替の庄屋のだんな様は信じて、
祈祷をしてもらったところ、その時の神のお告げは「娘をささげよ。」とのことであった。
村人は、一昼夜話し合った末、くじ引きにより娘を選ぶことにした。
くじを引いたところ、ちょうど庄屋の家に当たってしまった。
庄屋にとっては一人娘でもあり、家に帰って悲痛の思いに沈んでいた。
すると、前々その話を聞いていた娘は、このことをさとり一晩泣きあかした末に、自分の愛馬にまたがり、
人々があっけにとられている間に、矢のように突切の淵にとびこんでいった。
このことがあってから、用水工事ははかどり完成されたが、今でもその時の娘をのせた白馬の足跡といわれるものが
岸の岩に残されている。
浅間山の天狗

むかしから浅間山には天狗がいて、うそを言ったり、他人のものを盗んだりするような心のよくないものが浅間山に登ると、
道に迷わされて谷底に落とされたり、石の下にされて首をねじられてしまうと言われていた。
時によると夜になってから雨を降らせたり、ひちりきを吹いて聞かせることもあったそうだ。
小さいとき、浅間の麓のこしき平という所から追分の裏の方まであまの花を取りに行ったものだが、
浅間の上の方を見ると、人の形をした黒い小さいものが、ちょうど草刈りでもしているように動いているのを見て、「天狗だ」といって逃げ帰ったものだ。
むかしは山へいった人は、よく天狗様が「ズイキョウズイキョウ、カッチンカッチン」という物音をさせたのを聞いたとか、
たまには首をひねられたなんぞと言う話があった。
手毬唄
おんとらとらとら とらねこちゃん
ぎんねこちゃん
鰹節くわえて逃げやんしょ
どこまでさ 江戸までさ
江戸の問屋は丸焼けだ
ひいがふう みいがよう
いつつがむう なながやぁ
このがとう
十でかしましょ わたしましょ まず 一本しょ
